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■シンプルな快速艇

 オーストラリアのボートデザイナー、フランク・ベスウェイト氏(49erの設計者ジュリアン・ベスウェイト氏の父)によって開発された二人乗りディンギー テーザーは、60kg台の軽量なハルとシンプルな艤装が最大の特徴であり、アスリートでない普通の男女が高度なレースを楽しめることをコンセプトとしています。
 誰もが扱いやすい軽量快速艇は、年齢や性別、経験などのバックグラウンドが異なっていても、それぞれのレベルでエキサイティングなセーリングを楽しむことができます。

 

■ワンデザイン・プリンシプル

 【レースは、「ボート」ではなく「乗り手」で競い合うもの】 こんな思想がテーザーのクラスルールでは明確にうたわれています。このクラスルールによる徹底したワンデザイン主義のもとで、乗り手はレース仕様の艤装やチューンナップに大金をつぎ込むことはなく、純粋に腕で速さを競うことができるのです。また、たとえ船齢が古くなったとしても、そのパフォーマンスを失うことは殆どありません。このようにお金をかけずに長く楽しむことができるテーザーは、生涯スポーツとしてのセーリングにはまさに最適なボートなのです。

■コンペティティブなレース

 幅広い人たちがマイペースでセーリングを楽しむことができるテーザーですが、そのような仲間が集い、共に競い合うレースは大きな楽しみのひとつです。国内でも他のクラスで実績を積んだ経験豊富なセーラーがたくさんいて、そのような人たちも十分満足できるハイレベルなレースが展開されます。もちろん、テーザークラスはそのような人たちだけのものではなく、一流の選手たちもいれば、夫婦も親子もレディスペアもいて、みんなそれぞれのレベルで、気後れすることなくレースを思いきり楽しむことができるフレンドリーなクラスです。

 レースの楽しみの極めつけは、国際レースへの参加です。テーザークラスでは、二年に一度、ヨーロッパ・北米・オーストラリア・日本の持ち回りで世界選手権が開催されています。この世界選手権には予選がありません。つまり出ようと思えば誰もが参加できます。とは言え、レースのレベルが低いわけではなく、上位陣はオリンピックのメダリストを始めとした一流セーラーが名を連ねます。

 世界の大物たちと同じ土俵で戦える世界選手権は、普段から本格的なレース活動をしているチームのみならず、企業ヨット部や地域のセーリングクラブなどでレースを楽しんでいるサンデーセーラーにとっても明確な目標となり、大きな魅力になっています。
 そして国内のレース同様、全ての参加者がスポーツとしてのディンギーレースを存分に楽しめる雰囲気が用意されています。予選で勝ち抜いてきたという厳しさが無い分、誰もが平等にレースを楽しむ権利を持っていることを、参加者全員が心得ているからでしょう。

■フリート活動と遠征

 テーザーは大人2人で楽にカートップできる軽量ハル、さらに2分割できるマストなど、そのフットワークの軽さから各地への遠征やセールトリップが容易にできます。そのため、幅広い層のセーラーがテーザーという共通の楽しみを持つ仲間として、世代や地域を超えた交流を持っています。また国内だけにとどまらず、テーザークラスは国境を越えたフレンドリーなコミュニティとなっています。